Symphony

概要

超小型人工衛星RSP-03のミッションは、「星のデータを音楽要素に変換し、多重音の音楽(星のシンフォニー)を作曲し、宇宙から音楽データを地上に届けること」です。 宇宙空間でRSP-03が撮影した画像から星座の座標データを取得し、人工衛星に搭載されたAIが星座の座標データをもとに作曲します。これを衛星軌道上から地上に送信をし、取得したデータをインターネット上で配信します。

本ページでは、実際に衛星からダウンロードした曲を公開しています。 また、RSP-03と同じアルゴリズムを用いて星座からの作曲をお試しいただけます。

ダウンリンクした曲のデータ

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RSP-03の作曲手法

RSP-03は、以下のプロセスで作曲を行います。これらのプロセスは人工衛星が制御し自動的に曲の生成が実行されます。

①スタートラッカーによる姿勢制御と位置確認

現在の星座は、国際天文学連合(IAU)によって天球を星座境界線によりブロック分けした88星座として定められています。また、地球上の緯度と経度のように、天球上での座標は赤緯と赤経で表現されます。 搭載したカメラで撮影した画像をスタートラッカーにより天体カタログデータと照合します。これによりRSP-03のカメラが向いている方向の天球の赤経赤緯を計算します。 この赤経赤緯の情報を星座境界線情報と照合することにより、RSP-03のカメラが向いている方向に存在する星座を特定します。これが作曲の始まりです。

~すみさんに教えていただいた、赤道座標系+衛星と、衛星の天頂のブロックを特定するイメージ図(アニメーション?)のようなもの~

②衛星データからのモチーフ作成

①で特定される88星座には、予め音名、音価、テンポなど作曲に必要な多数の音楽の要素が紐づけられています。その中でも特に重要な音名(ドレミ)には候補群があり、その選択には衛星のHKデータ(House Keeping Data:温度、電圧、電流など、衛星の内部の状態を表すデータ)が用いられます。こうして、その時だけの衛星の状態や見ている星座を反映した2〜4小節のモチーフ(旋律)が作成されます。

③搭載AIによるメロディ作成

作成されたモチーフを元に、機械学習ライブラリMagentaによって続きのメロディを生成します。Magentaは、Googleが公開する音楽を自動生成する機械学習ライブラリです。

④多重音の音楽(星のシンフォニー)の作成

Magentaによって生成された主旋律、副旋律などを合成し、複数パートからなる多重音の曲が完成します。